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—自身のなかで思い入れのある曲というと?
一曲あげるとなると難しいですけど、最後の「Tomorrow」という曲だけは、演じることよりも、作者のあとがきのような感覚で、プロセニアムの外に飛 び出して自分のことばを発しているような歌にしようと思いながら作りました。同じ作り手側の渡辺さんにもことばをいただきたいと思って、渡辺さんはこれま で作詞をされたことがなかったそうなんですけど、作詞に引き込んでしまって(笑)。ですからあの曲の詞は、メールで沢山やりとりしつつ、一緒にことばへ思 いを込めた形になりました。
—制作時のディスカッションはいかがでしたか。
お芝居の演出を受けているようでした。具体的に音楽についてのダメ出しというのは渡辺さんのほうからほとんどなくて、「この曲の主人公はこんな性格だろう から、それを踏まえて」みたいなことで、まさに演出という感じでした。
今回、渡辺さんからアルバムのコンセプトとして「一曲、一曲を演じて欲しい」と提案されたので、それぞれメッセージをストーリーにのせることを考えながら
作詞したんです。歌う時も”歌う感じ”で演じたというか。渡辺さん自身、「こんな曲だったらどう演じてくれるんだろう?」と楽しみながら作って下さったよ
うです。
あ、今思い出したんですけど、渡辺さんと初期の打ち合わせのころ、「この映画がとても面白かったんです!」って言ってお薦めしたんですよ。そしたら渡辺さんも気になっていたらしく、ご覧になって。その頃からアルバムのイメージとして〈物語〉っていうのがキーワードになった気がします。
ARTISAN de la MUSIQUE 2009年3月号 - P.03 - 連載コラム・インタビュー - プレイリストから新たな音楽を発見する[MUSICSHELF]
Serendipityについて 折笠富美子
—アルバムのクレジットを1stから順に見ていくと、徐々に自作詞の比率 が増えていますが、元々作詞に興味はありましたか。また、幼少時の音楽体験は?
十代の頃、なんとなくノートに書いたりしてました。あくまでなんちゃってって感じの詞ですけど。音楽に関しては、子供の頃からエレクトーンを習っていたん です。感覚で弾いていたので練習嫌いでしたけど(笑)。中学終わり頃から高校にかけてがちょうどバンド・ブームだったこともあって、エレクトーンを習って いるというだけで、引っ張り出されてキーボードをやってました。その流れで歌ったりもしていましたけど、音楽活動といえるほどではないです。
—自身で曲を作ったりはしなかったんですか。
いやぁ、作曲については、私センスないんじゃないかなと思います(笑)。作ったことはあるんですけど、なんじゃこりゃって感じで。